By Dr. サカモト
もっとも人気のある質問がこれです。
「運動開始してから20分後から脂肪が燃えるんですよね?」
というものです。
これはご存知の方も多いと思いますが、
間違っています。
運動というのはマッチ棒に例えると分かりやすいです。
最初マッチの先に火を点けるとわずか数秒で消えます。
これがエネルギー代謝のスタート、つまりATPの分解です。
次に火が消えないようにマッチ棒がありますね。
棒のおかげで7秒くらい燃えていられます。
これがエネルギー代謝の2番目の系、つまりATP-CP系です。
ATPを作るために、CP=クレアチンリン酸を分解してエネルギーを得ています。
次に火が絶えないようにするために
きっとみなさんは新聞紙を持ってきますね。
1日分の新聞紙のおかげで火は40秒くらいは燃えていられます。
これがエネルギー代謝の3番目の系、つまり解糖系(乳酸-ATP系)です。
糖を分解する過程でAPTを作っています。
最後にこの火が絶えないように、
きっとみなさんは枝木を持ってきませんか?
枝木に火を点けると半永久的に燃え続けます。
メラメラゆっくりと燃え続けるのに周りの酸素を利用しています。
これがエネルギー代謝の4番目の系、つまり酸化-ATP系です。
酸化-ATP系は糖質利用と脂質利用があります。
酸化というくらいですから、
酸素と物質がくっついて、その過程でATPが作られます。
最終産物は水と二酸化炭素です。
このように
ATP→CP→糖質→脂質といった
順番でエネルギー源が燃えています。
しかし、実際には運動の強さと時間によって、
燃えている割合が違うだけです。
100m走はほとんどがATP-CP系ですが、
脂質も実は数%は利用されています。
時間が長くなればなるほど
脂質が燃える割合が多くなります。
ウォーキングほどの有酸素運動であれば、
最初は60%が糖質で40%が糖質が燃えています。
しかし20〜30分あたりから50%:50%になります。
そして、1時間ほどになると
脂質が60%、糖質が40%ほどの割合になります。
ですので、
20分経ったらカチンと
切り替わって脂肪が燃え始めるなんてことはありません。
「脂肪を落としたいのに20分以上連続で運動しないといけない」
と考える辛いですね。
最初の数分でもエネルギーは使われているし、
それがたとえハードな運動でエネルギー源がほとんど糖質でも、
運動後に脂肪で賄われます。
筋トレやっても脂肪が落ちるのはそのためです。
だから
「20分以上運動しないと脂肪が燃えない」
とか、気にせずに運動しましょう。
減量については、
エネルギー消費量が最重要です。
量を稼げば成果は出ますよ!!