レジスタンストレーニングで使う主観的運動強度(RPE)

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2日前のブログで書いたRPEスケールです。RPEはRating of Perceived Exertionの略で、直訳すると「感じ取ったきつさの割合」といったものでしょう。人が運動している時に強度が増せば、きつさは上がります。それを数字でランキング付けします。使うととても便利なのですが、まずその英語を日本語に書き換えてみます。

 

10  これ以上重量の挙上も繰り返しもできない

9.5  繰り返しはできないが、重量はわずかに動かせる

9.0  もう1回挙上の繰り返しはできる

8.5  もう1回繰り返しができるが、もしかすると2回できるかもしれない

8.0  もう2回繰り返せる

7.5  2回は繰り返せるが、もしかすると3回はできるかもしれない

7.0  3回はくりかえし挙上できる

5〜6  4〜6回は繰り返しできる

1~4  とても楽である

 

訳がパーフェクトではないですが、だいたいこれで合っていると思います。使い方はまさに挙上している最中に、「きつさの感覚」を研ぎ澄ませて使っていく形です。例えば、「RPE8で挙上を終える」というのは、挙上している時に「あと2回で限界を迎えるな!」と思ったらセットを止めるという意味です。感覚的なスケールですが、非常に便利です。

よくフォーストレップス(FR)という方法で、限界を迎えても無理やり補助者のサポートで挙上を繰り返すことがあります。もちろん時期によってはFRが良い場合があります。しかし、毎回FRを使うのは身体への負担が大きいし、中枢神経系の疲労が抜けきらない場合があります。そこでRPEを使って限界前で終えるという方法がお勧めです。私も最近初めて使いました。

 

限界まで挙上するということは100%を出し切ったということになります。挙上の最中に全ての筋線維を動員することは生理学上不可能です。どんなに1セットで限界まで上げたとしてもです。大脳が全力を出さないように抑制を掛けているからです(心理的限界)。使い切らず使っていない筋線維を動員させるために、2セット目、3セット目とセット数を増やし、最終的にできるだけ全ての筋線維に負荷をかけるように試みます。しかし、1セットで挙上出来なくなるまで出しきらず、余力を残してもかなりの割合で筋線維は動員されているはずです。それならば、セット数を増やして最終的に全筋線維を動員できるように試みれば、精神的にも余裕を持ってワークアウトに取り組めると最近は考えています。

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その余力を残す方法としてRPEが非常に便利です。さすがにRPEが6とかで終えるのは筋力向上や筋肥大にはプラスになるとは思えませんが、RPE8〜9くらいでも十分に筋力や筋肥大が誘発できるトレーニング閾値(いわゆる体力向上スイッチ)を凌駕していると思います。そんな仮説を持って今トレーニングに打ち込んでいます。私の哲学は「いかに強いストレスを掛けずにトレーニング効果を出すか」です。それは楽をしようという試みではありません。いかに科学の力を借りて一般の方の体力を向上させるかが重要かと思いっています。

もちろん指導においてはヒューマン(人間味)な部分が最も大事ですよ。