
昨日、大学の講義資料を作り直していました。
私がいっている大学は岡山県立大学ですが、今年から山陽学園短期大学にも非常勤でお世話になることになりました。
これ「運動生理学」という学問の資料なのですが、体力という話は必ずしないといけません。
ていうのは運動生理学って、人が運動をした時の適応変化を追求する学問だからなんです。
「う〜ん、よくわからん」と言われそう。
簡単にいうと運動すると体温が上がったり、脈拍数が上がったり、筋肉が疲れますよね。
そんな時に体の構造や機能がどう変化するかを調べる学問なんですよ。
心拍数が上がるってのは、全身に酸素や栄養素を筋肉に回さないといけないので心臓の一時的な対応ですね。他にもジョギングなんかを長期間続けていくと心臓が大きくなります。スポーツ心臓と言うんですがね、これに応じて持久力が上がるじゃないですか。これを「トレーニングの効果が出たね」って普通に使ってますね。
このように一時的な対応を急性適応、長期行ってトレーニングの効果が出てくることを慢性適応と言います。特に長期に行なった場合には体力が上がります。例えば、力強くなったり(筋力)、粘り強くなったり(全身持久力)、しなやかに動けるようになったり(柔軟性)、上手になったり(協働性)、などなどです。
この説明した筋力や全身持久力や柔軟性だとか、協働性っていうのが一つ一つの体力なんです。様々あって、運動をする種類や強度や時間や頻度によって向上する体力が違ってきます。
私は看護師になろうとする学生や管理栄養士になろうとする学生に教えてるわけです。結構詳しくね。
今回ブログで紹介したのはパーソナルトレーナーになりたいという人たちに、「体力ってこんな分類があるんだよ」ってことを伝えたかったわけです。これ知っておくと、
- どんな体力を向上させようとしているのか?
- どの順でプログラムを構成しようか?
- どうやって組み合わせようか?
なんていうのが意識できます。
例えば、筋力トレーニング一辺倒ではなく、協働性(上手に動く能力)のトレーニングなら筋トレの前にやろうって発想になります。筋トレやって筋肉が疲労した後では、上手に体を操作できませんから。柔軟性と筋力を掛け合わせた「可動性トレーニング」なら、ストレッチをやった後、筋トレの前にやろうかとか。重たい重量を扱う場合は「気合い(意欲)」も必要なのでメンタルも鍛えてるんだろうな〜って考えてます。
あとお伝えしたいこととしては単純な筋トレだけでなく、赤文字で書かれた協働性、平衡性、意志、判断ってのは難しいエクササイズに構成することもできるんですよ。「難しい!」って聞くと嫌だな〜と思うかもしれませんが意外と楽しいんですよ。実は。難しくなるとスポーツチックな感じがしてチャレンジングです。楽しさってのを伝えるのもトレーナーの仕事です。
(この協働性、平衡性、意志、判断の要素をサイバネティクス系体力と言いますが、また後日ブログで書きますね。あとYouTubeの方でも)
安全で効果的ってのはもちろんなんですが、こういった「体力の分類」を見てると運動本来の楽しさも思い起こしながら指導する必要がありますね。
トレーナーでありながら、エンターテイナー。
格好いいじゃないですか!